準備編 現場準備2 施肥

 肥料を施すことを「施肥(せひ)」といいます。

前回は、肥料の種類などについて、お話しましたので今回は、その肥料を具体的に、いつどのくらい施すのか、どのように施すのかといったことをお話していきたいと思います。

 肥料の施し方として2つに分けることができ、「元肥(もとひ)」と「追肥(ついひ)」に分けられます。

 「元肥」とは、作物を植えつける前に施す肥料のことです。作物を植える前に土に施し、土と混ぜ合わせてなじませたところに作物を植えます。

 「追肥」は、作物を植えた後に、元肥で与えきれなかった分、足りなかった分を補って与える肥料のことをいいます。作物の根元などに穴や溝を掘って施し軽く土と混ぜてなじませます。

 育てる野菜にもよるのですが、ひとつの作物に与える肥料の約半分ほどを元肥として最初に施し、残りを追肥として少しずつ施していくというようなことをいわれます。確かに一度に与えすぎるとよくない点もあり、半分くらいにして後は様子をみながら少しずつ施していくというのは、良い考えだと思います。しかし、有機肥料、特に堆肥を主体に施肥をしていく場合、堆肥は遅効性でゆっくり効いていきますので、あとから追肥をしても間に合わないということがよくあります。

 ですので、有機栽培の場合は元肥の役割がとても重要です。

 私は、必要な量は最初に元肥として施してしまって、後から追肥も行いますが、それは養分補給というよりも、土づくりの意味で良質の堆肥を施し、有用な微生物に働いてもらうことで土の中が活性化すると考えています。また、栽培期間の短いものは(葉物など)肥料が足りないなと感じたときに追肥をしても手遅れですので、元肥で決めるしかないと思っています。

 では、必要な量をほぼ全量というと、ものすごい量と思われるかもしれませんが、目安としては1平方メートルに堆肥3リットルが目安です。キャベツやハクサイなどの結球する野菜は4リットルほど必要になります。

 ご自分が作る畑の面積、または畝の面積(畝の面積をお勧めします)を測り、必要な量を計算したら、作付けするところに堆肥をまいていきます。ですので、堆肥をまく前に畝を整えておくことが必要です。

堆肥をまいたら、レイキなどで土と軽く混ぜ合わせてください。このとき深く混ぜ合わせる必要はありません。堆肥は土の表層に施すことによって、微生物によって分解されるなど効果を発揮しますので、深くても10cm程度に施すのがポイントです。混ぜ合わせたら、表面をきれいに整えて完了。作付けを行えます。

 目安は1平方メートル当たり3リットルから4リットルですが、新しく作った畑やしばらく野菜を作っていないようなところは、10リットルほど必要です。また、前作からの肥料が残っている場合はもっと少なくてよいでしょう。ご自分の畑にあった施肥量を見出して施すことが大切です。

実際に作付けを始める前に、試験栽培をしてみるのがお勧めです。施肥量の違ういくつかの区画を用意し、小松菜など短期で栽培できるものを育ててみると、育ち方に違いが出てくるので、ベストな量を判断する材料になります。

 施肥をする時期ですが、完熟堆肥であれば施肥後すぐに作付けすることが可能ですが、そうでないものは少し期間が必要です。ホームセンターで購入した堆肥などは完熟のものはあまりないと思いますので、1ヶ月くらい前に施しておくのがよいと思います。作付けする時期から逆算して、1ヶ月前までに施肥をしておきましょう。

 堆肥の施し方については、書籍紹介のところにある「畑でおいしい水を作る」に、もう少し詳しい説明もありますので参考にしてみてください。

 

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