リコベジファームでは家庭から出る生ごみを良質の堆肥にして、
畑に戻す取り組みを行っています。
家庭から出る可燃ごみのおよそ半分が生ごみだといわれています。
これを堆肥にすることで、資源として活用することができ、ごみの減量になります。
また生ごみには水分が多く含まれ、焼却処分の際には重油などが用いられます。
堆肥化すればCO2削減にもなります。
生ごみは、私たちが食事した際に出てくるものですので、栄養バランスがよく
堆肥に変えて畑で使用すると、野菜の育ちもよくなります。
実際には、三重県の有機農業家で農業技術の匠である橋本力男さんが
考案された方法で行っています。
この方法は、DIYの道具箱を加工した容器で、生ごみを「一次処理」し、
その後、これを積み込んで高温発酵させる「二次処理」を行って、完熟堆肥に仕上げます。
生ごみを腐らせずに堆肥化するので、簡単で衛生的、悪臭やハエの発生といった心配もありません。
これが一次処理に使う、DIY道具箱を加工した「一次処理ケース」です。
ふたの部分を透明で丈夫なポリカーボネート板に張り替え、ここから太陽光を取り入れて
微生物の活動を活発化させ、生ごみを分解します。
太陽光を取り入れるため、電気代などの維持費は必要ありません。
余分な水分は排水口から出るようになっており、発生する蒸気は、上部の通気口からでて行きます。
通気口、排水口いずれも、虫の侵入を防ぐためにネットが取り付けてあります。
また、正しく管理すれば排水口から水分が出てくることはありません。
ふた付ですので、カラスや猫に荒らされる心配もなく、戸外で使用できます。
この一次処理ケースに、発酵副資材である「床材」を入れ、これを生ごみと軽く混ぜて処理していきます。
床材には微生物が棲みついており、この微生物により生ごみが発酵・分解されていきます。
床材の材料はモミガラ、米ぬか、落ち葉、屋根瓦の壁土や赤玉土で、一度、高温処理し、
病原菌などを死滅させて、良質の微生物が増えるようにしています。
「一次処理」の目的は、生ごみを乾燥させ、減量・減容することですので、
これだけでは、安全で高品質な堆肥にはなりません。
一次処理したものを集めて、米ぬかや壁土、水分を追加して積み込み高温で発酵させます。
これが、安全で高品質な堆肥にするための「二次処理」です。
二次処理時の温度は60℃~70℃それ以上になることもあります。
この温度で、病原菌や害虫の卵などが死滅し、衛生的な堆肥となります。
時々、「切り返し」といって堆肥の山を積み替える作業を行い、堆肥の温度も下がってくると出来上がりです。3、4ヶ月で完熟堆肥が完成します。