野菜を知る 3. 連作・輪作
「連作(れんさく)」という言葉をご存知ですか?
野菜作りでは、同じ場所で同じ野菜をつくり続けていると、育ちが悪くなったり、病気が出やすくなったりします。「連作障害」といわれるものですが、同じ野菜をつくることで特定の養分が不足したり、その野菜を好む害虫や病原菌が増えることなどが原因とされているようです。
その「連作障害」を避けるための方法に「輪作(りんさく)」という方法があります。同じ場所で同じ野菜をつくるのでなく、ちがう野菜をつくることをいいます。具体的には畑を、畝ごとや区画分けするなどして、ちがう野菜をローテーションして育てていくとうまく輪作を続けていくことができます。
同じ野菜を続けてつくることは、もちろんのこと、「同じ科の野菜」を続けてつくることでも連作障害が発生する可能性があります。「科」とは、それぞれの野菜の属性の事を指しますが、見た目は全くちがっても同じ「科」である野菜は多くありますので、ある程度知っておかないと、折角、輪作をしているつもりでも連作になってしまっている場合もあります。
この連載の準備編1において、夏に収穫できる野菜の代表的なものを表にしていますが、この表は「科」ごとに分類して表示しています。
トマト、ミニトマト、ナス、ピーマン、シシトウ、トウガラシ |
キュウリ、カボチャ、ズッキーニ、ゴーヤ、スイカ |
エダマメ、インゲン、ラッカセイ |
トウモロコシ |
オクラ、モロヘイヤ、空芯菜 |
1番上の段は「ナス科」の作物です。見た目は随分ちがいますが、トマトもピーマンも同じナス科です。この他にもじゃが芋などがあります。
2番目の段は「ウリ科」の作物です。これはだいたい見た感じで分かっていただけるでしょうか。
3番目の段は「マメ科」の作物です。これも大体似ていますね。
4番目のトウモロコシは、「イネ科」の作物。米や麦が同じイネ科です。
5番目はその他ということでひとつにしていますが、オクラは「アオイ科」、モロヘイヤはちょっと珍しい「シナノキ科」、空芯菜は「ヒルガオ科」で、さつま芋と同じです。
同じ時期に植えるものは、同じところに植える心配はありませんが、時期がちがうものは植え替えのときに同じ科のものの後に植えないように注意が必要です。また、続けて植えなければ大丈夫かというとそうでもなく、それぞれの野菜ごとに次に同じものを植えるまでに必要な年数というものがあります。
1年休むもの | ダイコン、ニンジン、ホウレンソウなど |
2年休むもの | キュウリ、ジャガイモ、キャベツ、レタス、ネギ、インゲン、エダマメなど |
3~4年 | ナス、トマト、ピーマン、ソラマメ、サトイモなど |
4~5年 | ゴボウ、エンドウ、スイカなど |
必ずこれだけあけなければいけないということではありませんが、目安として抑えておくとよいかもしれません。
これだけのものを覚えておくのは大変なので、どこに何を植えたということだけでも図をかくなどして分かるように記録しておくことも大変重要です。小さな畑でも、意外と少し前に何を植えたか忘れてしまうものです。
また連作が可能な作物もあります。カボチャ、サツマイモ、ゴーヤ、シュンギク、トウモロコシなどは続けて植えても問題ないようです。
科がちがうものでも前後の植えあわせで相性の悪いものもありますので、次回はそのあたりを中心に混植やコンパニオンプランツについてお話したいと思います。
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