"野菜を知る 1.作付け時期"
準備編 栽培計画のテーマは「何をつくるか」です。
先にご説明したように「何をつくるか」で重要なのは、「何をつくりたいか」ではなく「何がつくれるか」ということになります。
まずは「野菜の特性」。
「野菜を知る」ということで、お話していきます。
みなさん、「旬」ってお分かりになりますか?
今はスーパーに行けば冬でもトマトやキュウリが売られていたり、夏でもブロッコリーやキャベツが売られていたりしますよね。
「旬」とは本来、出盛りで最も味のよい時期をさします。
それぞれの野菜には生育に適した季節や温度があり、その適した時期にできたものこそ「旬の野菜」といえます。
適した時期に作るということは、その野菜が最も生育しやすく、また健康に育つことができるので、病気にかかったり害虫に食べられたりする危険性が最も低く、一番楽にコストがかからずに作れます。またそのように無理なく育った野菜はもちろん味もよいですし、収量も増えます。栄養価も高く、食べる私たちの健康にも関わってきます。
ビニールハウス内で暖房をたいて夏野菜をつくったり、虫の多い暖かい時期から冬の野菜を作ると農薬を多用せずにはできません。
最近は地域ごとに特産品をハウスなどで育て、本来の時期よりは一足早く出荷して、「○○産のトマトは今が旬」などと宣伝していますが、「旬」とは本来そのようなものではありません。
私たち人間が、それぞれの野菜の特性をよく理解し、その野菜に合った時期に栽培することで、無理なく健康で美味しい野菜をつくることができます。
無農薬で野菜をつくる場合、種まきや苗植え(作付けといいます)の時期は、とても大事なポイントです。
では、夏につくれる野菜といえばどんなものがあるのでしょうか?
代表的なものや私がつくっているものをあげてみました。
春に植えて夏に収穫できる野菜
トマト、ミニトマト、ナス、ピーマン、シシトウ、トウガラシ |
キュウリ、カボチャ、ズッキーニ、ゴーヤ、スイカ |
エダマメ、インゲン、ラッカセイ |
トウモロコシ |
オクラ、モロヘイヤ、空芯菜 |
春に植えて秋に収穫できる野菜
サトイモ、サツマイモ、ショウガ、長ネギ
年間を通して栽培できるもの
ほうれん草、小松菜、リーフレタス、ニンジンなど
品種について
ひとつの野菜でもたくさんの品種があります。
それぞれに栽培時期なども変わってきますから、ご自分の栽培にあった品種を選ぶ、または品種にあわせた作付けをすることも忘れてはいけません。そして、地域によって同じ時期でも温度や気候がちがうため、お住まいの地域にあわせた作付けをすることも重要です。
各種苗会社さんのHPに様々な品種や、品種に合った作付け、栽培方法が紹介されていますので参考にされるとよいと思います。また、種の袋にも大まかな作付け時期など表示されていますので、種を購入する際に確認するとよいと思います。
タキイ種苗 http://www.takii.co.jp/CGI/tsk/shohin/search.cgi
お住まいの地域やつくりたい野菜の品目などを入力し検索すると、それぞれの品種一覧が出てきます。
品種名をクリックすると詳しい情報が出てきます。
サカタのタネ http://sakata-netshop.com/about/campaign/sub1/
見たい野菜の品目をクリックすると、品種一覧が出てきます。
品種名をクリックし、さらに「もっと詳しい情報を見る」ボタンをクリックすると詳しい情報が出てきます。
また昔からその地域で栽培されてきた品種など、近くの農家さんなどで聞くことができれば、それを栽培することをおすすめします。
昔から地域で栽培されているものは、その地域にあった品種ですから、無理なくつくることができます。
次回は野菜の適正PHについてお話します。
つづき 準備編 栽培計画 野菜を知る2
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