ボリビアからの帰国後、2010年4月から橋本氏が主催する「コンポスト学校」で8ヶ月間、堆肥づくりと有機農業について再び勉強しました。
毎回、講義と実習があり課題もでて、なかなかハードな8ヶ月でしたが、自分で農業をはじめる準備期間としていましたし、真剣に取り組んで充実した期間となりました。
その後2011年に出身地である愛媛県松山市で「リコベジ農園」(リコベジファーム)をはじめます。
「rico」はスペイン語で美味しいという意味で、「vege」は英語のベジタブルから。健康で本当に美味しい野菜を作りたいという思いから名づけました。
最近は美味しいことの代名詞のように「糖度が高い」ということがよく言われますが、野菜の本当の美味しさは糖度だけではないと思います。
有機栽培できちんと作られた野菜は、甘みもありますが酸味や苦味、みずみずしさや香りなどのバランスがよく、野菜らしい爽やかな味わいがあると思っています。食べたときの衝撃的な美味しさというよりも、後からじわじわ、しみじみとしみだしてくるような感覚です。
そんな野菜らしい野菜の味を目指しています。
2012年には農場を愛媛県西予市に移し、現在に至ります。
温暖な松山市とは違い、夏も比較的涼しく野菜の育ちもちがって、戸惑うことも多いですが、自然環境のよいところなので、ゆっくりやってみようという感じです。冬の寒さが厳しく、まだ経験していないので今から少々不安ですが・・・。
畑も小さいですし、初めて1年ちょっとですが、自然の仕組みそのものを活かす栽培、生物の多様性を活かした栽培というのを目指してやってきて、健康に育てば農薬は必要ないのだなと感じています。
農薬は使いたくないし、使わない努力が必要だと思っていた頃もあったのですが、農薬に頼る必要がないなぁという感覚です。
少し病気が出たこともありましたが、ちょっと手入れをすればいつの間にか消えていましたし、虫もたくさんいますが、きれいな野菜が採れています。蜂もたくさんやってくるので、受粉もほとんどやる必要がありません。
以前の職場であれば、害虫がいること自体が問題で見つければ即、農薬散布。
ですが、虫がまったくいないほうがおかしいのです。害虫もいれば益虫もいるわけで(害と益とわけているのは人間です)、うまくバランスがとれていることが大切ですし、その中で野菜も元気に育っていくのだと思います。