栽培方法

 野菜の出来は、土づくりで決まってきますので、栽培方法に特別なものはありませんが、
無農薬で野菜を作るときにはいくつかのポイントがありますので、
現在取り組んでいるものを紹介したいと思います。

 

1.  少量多品目栽培

 読んで字のごとくですが、色々な品目の野菜を少しずつ栽培しています。
例えば、ひとつの病気が発生したとして、それがすべての野菜に発生するかといえば、そうではありません。
ある野菜は、その病気に弱くても、他の野菜にはその病気に対する抵抗性があり、近くで発生しても、病気になることはありません。
害虫についても同じで、虫というのはどの野菜の葉っぱでも食べるかといえばそうではないのです。
蝶の幼虫などは、食べられるものがかなり限定されており、自分の食べられるもの以外は見向きもしません。
天候の影響も同じで、色々作っておくと、悪天候でも助かるものもあります。少ない品目を大量に作るほうが、作業効率としてはよいのですが、ひとたび病気なり害虫なりにやられると、すべてに影響が及びます。
やはり農薬が必要になってくるのです。
少量多品目にすることで、野菜の性質そのままに、病気や害虫、天候などの被害から影響を受けにくい畑にしています。

少量他品目栽培

左手にナス、ピーマンその奥にはトマトがあり雨よけしてあります。右手にはオクラ、奥にはキュウリとゴーヤのアーチがあります。

 

2.  栽培時期

その時期に適した作物を栽培することが、その作物が一番ストレスなく元気に育ち、病虫害からも被害を受けにくくなります。
いわゆる旬のものを、自然の恵みいっぱいの路地で栽培します。
高値を狙って、ハウスで栽培したり、農薬を多用する栽培とは栄養価、そして生命力がちがってきます。
食べる人たちの健康にも大きく関わってきます。

3.  輪作

同じ作物や同じ科(作物の種類分け ナス科ウリ科など)のものを、毎年同じ場所で作ると育ちが悪くなり、病虫害などの被害を受けやすくなります。
そこで、場所を区切り、ちがう科の作物を順番に作っていくことを輪作といいます。
ただ科を変えるだけでなく、前作、後作の組み合わせによって、育ちがよくなったり、病害虫を忌避したり、土をより肥沃にさせる組み合わせがあるので、うまく組み合わせていけるように計画を立て進めています。

 

4.コンパニオンプランツの利用

コンパニオンプランツとは共栄作物ともいい、互いに助け合う作物同士を組み合わせて、一緒に栽培し、病害虫防除、雑草防除などに役立てることをいいます。
組み合わせる作物、双方または片方にメリットがある相性のいい組み合わせです。
例えば、キュウリやカボチャの株元にネギを一緒に植えて病気を予防したり、トマトの畝にエダマメを植えると、エダマメの根に共生する根粒菌の働きで、トマトの生育がよくなるといった具合です。
色々な作物に相性のいいもの、また病気予防や害虫忌避の効果をねらって組み合わせを考え、栽培しています。

 

 この他に、環境に配慮して、ビニール資材の使用を極力控えています。
一例として、ビニールマルチは使用せず、稲わらをカットした敷きわらマルチにしていますが、雑草も抑えられますし、畝の表面に程よく空隙ができ、野菜の根に空気が供給できます。
畝の乾燥を防いでくれるので根の痛みが少く、雨が降っても土が野菜に跳ね返らないので、病気予防にもなり、栽培後は土に戻して土づくりにも役立ちます。

 

 このように、作物や有機物の持つ特性や良さを利用しながら、無理なく健康に育ち、農薬や化学肥料に頼らなくてよい栽培を目指して
実践し、またこれからも勉強していきたいと思います。